変化する翻訳

2018.04.24

聖書事業懇談会・千葉
聖書事業懇談会・千葉
大阪での質疑応答の場面
大阪での質疑応答の場面

聖書事業懇談会・千葉が4月9日に開かれました。講師の小友聡先生は、「コヘレトの言葉」に対する考え方が以前と変化したために、それが聖書協会共同訳の訳文と小見出しに影響を与えたとお話しされました。聖書学の変化が聖書翻訳に影響を与えた一つの例となります。4月10日に大阪で行われた懇談会の講師、飯謙先生は、聖書協会共同訳では、「はしため」の使用を止め、多くが「仕え女(つかえめ)」となったことに言及し、今回の翻訳では、人間の重みへの配慮がなされていると語られました。「お前」の頻度が半減したのも、同じ理由です。これは日本語に対する感性の変化や社会状況の変化が、聖書翻訳で考慮された例です。聖書の翻訳だけではなく、翻訳という営み自体がそうなのですが、原文の意味がより明らかにされるならば、翻訳も変化します。あるいは、読む側の言語や文化が変化すれば、読み手に正しく意図が伝わるようにと、やはり、翻訳が変化します。聖書のヘブライ語とギリシア語原文は変わっていませんが、その翻訳は、過去2000年間、静止していたことはありません。絶えず、より良く神の言葉を伝えるために変化してきました。現在、聖書協会共同訳は、12月刊行を目指して校正段階に入っています。この新しい翻訳聖書が、21世紀の日本で神の言葉を伝えるために用いられるようお祈りください。なお、小友先生、飯先生の講演内容は間もなく、ウェブ上で公開されます。

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