聖書和訳頌徳碑記念式典
現存する最古の和訳聖書ギュツラフ訳『約翰福音之傳』が1837(天保8)年、シンガポールで出版されました。そのギュツラフによる聖書翻訳を助けたのが、小野浦出身の3人の日本人船乗り、岩吉、久吉、音(乙)吉(略して三吉)です。記念碑は、聖書翻訳事業に協力した3人を記念するために、1961(昭和36)年、日本聖書協会と愛知県の委員会が中心となって、美浜町小野浦に建てられ、その年に第1回記念式典が行われました。翌年より年に一度、美浜町と日本聖書協会が交替で式典を主催しています。
第63回聖書和訳頌徳碑記念式典
2024年10月3日、第63回目の記念式典が聖書和訳頌徳記念碑前で開催され、聖書協会関係者、美浜町関係者、音吉顕彰会関係者総勢100名が集いました。ギュツラフ訳聖書の朗読の後、献花が行われ、続いて美浜町町長八谷光則氏、シンガポール大使館一等書記官ニコラス・クア氏、復興大臣衆議院議員伊藤忠彦氏(伊藤夫人が代読)、音吉顕彰会齋藤宏一会長、日本聖書協会総主事具志堅聖より記念の辞が述べられました。雨の降る中、音吉が嵐の中で奮闘したことを思い起こす式典となりました。
午後には会場を小野浦館に移し、「廻船と音吉記念館」館長樋口浩久氏による「樋口家と山本音吉」と題した講演が行われ、音吉を乗せた千石船の船主 樋口家や音吉の許嫁 琴(鈴)さんのお話が語られました。